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そら飛ぶ公園

実家の近所には僕が小さい頃

よく遊んでいた公園があった。

広さはそこそこで、遊具もそこそこ

登りやすい木までもそこそこな公園。

高くて急な丘をのぼる階段の中腹にあって

行くのも帰るのも大変な公園だったけど

僕はいつもそこで遊んでた。



公園の西側はうっそうとした

樹木が生い茂っていたけど

その奥にある背の高い柵の向こうは

崖になっていて眼下に

僕の住んでいた住宅街が見渡せたんだ。

小学校もスーパーも病院も見下ろせた。

金網にへばりついて顔をおしつけ

視界を遮るものを無くすと

飛んでいるような気分になった。

だから僕はこの公園が大好きだった。



その公園にはひとつ、困った事があった。

公園全体が丘の下に向けて少し傾いてたんだ。

遊んでると大して気にならないけど

ボールを置いてほっておくと

いつも西側の隅っこまで転がっていった。

まあでも、それもなんてことはないし

誰も気にせず遊んでた。

ドッジボールやサッカーをやって

飽きたら転がるボールを尻目に

遊具でダラダラするなんて感じに。



夕方になり、西側の木々が太陽を隠すと

とたんに公園は陰気臭くなる。

だから夕焼けこやけが鳴る前に

さっさと移動するのが定番だった。

転がりきったボールが集まるたまり場から

自分のボールを拾い上げる時

木と木の隙間から差し込んでいた

強烈な西日のビームをくらった。

影の中で浴びる強い光は気持ちよくて

とたんに名残惜しく思った。

もしかしたらそれは

公園の気持ちだったのかもしれないなあ。

また来てほしいって気持ちだったのかもしれない。



他の公園とは雰囲気の違う

ちょっと暗くて空が飛べる公園。

僕はこの公園が大好きだった。





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