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高くて低い階段

中学の頃

学校に行くのが

とても億劫だった。

勉強も運動も中の中。

部活もやらず

友達もいなかったので

ノルマのように

授業をこなして

家に帰るというのを

日々繰り返していた。

思春期特有の

自分は何者でもなく

身動きが取れない

不安と不自由を感じて

人知れずもがいていた。



学校は丘の上にあって

うちから登校するには

長い階段を上らなきゃ

ならなかった。

それが毎朝毎朝大変だった。

他の生徒たちは

友達同士連れ立って

汗をかきながら

愚痴を言い合いながら

のぼっていく様が

キラキラと見えた。

暗い気持ちのみを

抱えて押し黙る自分が

ひどくダメな人間に思えた。

階段をあがって

裏口から敷地内に入る。

少し息を切らせながら

教室に入っても

僕の心は落ち着かなかった。

普通な心持ちで

生活している周りの人たちを見て

常に気持ちをゆがませている

自分が情けなくて

たまらなかった。

後に、他のみんなも

似たような気持ちに

なるもんだって

知ったけどね。

そん時は

自己嫌悪と被害妄想とが

ぐちゃぐちゃしてた。

そんな気持ちですごしていると

また更にあの階段が

苦しく感じられた。



調理実習、委員会、英会話の授業

他人とコミュニケーションを

とらないといけない日の登校時、

あの階段はものすごい重力が

感じられた。

文化祭、体育祭、修学旅行

集団でひとつのものを

目指す行事の登校時、

あの階段は遥か頭上に

そびえたって見えた。



あの階段は

僕のトラウマになった。



そして今から2年くらい前。

仕事で使う資料写真を

撮影するために

母校の中学校に行ったことがあった。

車で校内に入って

あらかじめ連絡していた

先生に挨拶した。

夕焼けの西日が差し込む

廊下や教室を撮影して回る。

思えばずっと帰宅部だったから

夕焼けに赤くなる学校の風景は

記憶の中の寒々しいイメージとは違い

暖かく新鮮に見えた。

撮影を終え

車に戻る途中

あの階段を

下りてみることにした。

裏口を出て

緩やかな坂を下る。

一段一段が少し高い

その階段をおりきって

学校の方を振り返ると

昔と景色が全然違って見えた。

あんなに見上げるほどだった階段は

大して高くなかった。

ぜいぜい1階~1.5階分、

デパートの二階に上がる程度だった。

でも僕は確かに顔を歪めて

苦しみながらここをのぼっていた。

中学校への苦手意識は

この階段とともにあった。

先生によると

もう裏口からの登校は

認められてないらしい。

今、目の前にある階段は

夕日に照らされて

寂しげだった。



僕は頭の中で

つらいイメージ膨らませて

あの階段を

高く高くしていたのかなぁ。

僕が大嫌いだった

あの階段の正体は

寂しくたたずむ

古い階段だった。



つらくて

出口の無い

耐えるしかない

ものの正体は

もしかしたら

単なる階段かもしれないよ。

それはもちろん

たっぷり時間を経て

俯瞰で見ないと

わかんないと思う。



でも

でもそれは

ほんとに単なる階段かもしれないよ。





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